語れば博識、ばみ[@taiwan_umami]です。
今回は、台北-西門紅樓の100年を超える歴史と、建築特徴をご紹介。
そこの紅樓の歴史とかもう色々知っておく良い機会ですぞぅ。
・西門紅樓とは?(時系列と今)
・紅樓建築の設計と特色
・おまけに周辺オススメスポット
この3つに分けて紹介するね〜!
西門紅樓へのアクセス
住所:No. 10號, Chengdu Rd, Wanhua District, Taipei City, 108
営業時間:11時00分~22時00分
定休日:月曜日
西門紅樓とは?
西門紅樓(シーメン・ホンロウ)は、1908年に日本の建築家近藤十郎によって設計・建築されました。台湾初の政府が建設した公営市場であり、現在も全国で最も古く、完全な三級古跡市場建築物の一つです。
「八卦造型」を取り入れ、八方からのアクセスを想定したデザイン。市場の中心には十字の形をした「十字架造形」による特徴的なデザインが施されています。八角樓と十字樓に加えて、隣接する南北広場も含めて、「西門紅樓」と呼ばれています。
西門紅樓の現在
2007年11月、台北市役所文化局は西門紅樓の運営管理を台北市文化基金会に委託しました。それ以降、市場、書店、映画館、劇場などを通じて、文化的な活動を中心に新たな再生を果たし、この場所に新たな息吹をもたらしています。10年以上にわたる努力の結果、西門紅樓は台北西区だけでなく、台湾文化創造の重要な拠点となりました。
八角樓内には、お茶を楽しめる西門紅楼茶坊や、台湾のお土産が手に入る西門紅樓精品区があります。さらに、16の工房が集まる文化創意産業の拠点となる施設や、レトロな劇場がある2階劇場などの多彩なエリアが設けられています。
こうした取り組みにより、台北市の新たな文化創造産業の中心地として注目を集めるようになりました。
週末には手作り市や舞台公演、中央展示区での展覧会とかも開催されてるから興味がある方はチェックしておくといいね!
西門紅樓時系列別の出来事
- 1908年
西門市場八角堂-紅樓が完成し、西門町は日本人の移住専門区になり、万華・大稲埕・城内三つの娯楽の中心に発展しました。 - 1945年
日本敗戦、国民党政府と共に大量の外省移民が流れ込み、紅樓劇場の繁栄を支えます。
その後演芸が盛んになり、上海の京劇・紅樓書場・黄金話劇が移民の心の慰めになりました。 - 1963年
西洋の思想が流行し、紅樓映画館が開園。モノクロ武侠・西洋映画、時代劇などの上映が開始。 - 1994年
「紅樓夢・西門情」の展示活動が始まる事により、西門紅樓再生の契機を生みました。 - 1997年
紅樓が三級古跡として公告され、同年紅樓映画館が休業。 - 2000年
十字樓南北広場の違法建築が火災に遭い、これを持って紅樓の新しいページが開かれました。 - 2002年
紙風車文教基金会が「紅樓劇場古跡再生」の任を引き受けます。 - 2007年
その後、台北市文化基金会が西門紅樓を受け継ぎ、西区のランドマーク的スポットになりました。 - 2008年
100年を迎えた紅樓が、台北市主催の都市景観に関する賞である「第7回台北都市景観大賞-台北都市景観大賞」を受賞。 - 2010年
西門紅樓茶坊が自主運営によリオープンし、紅樓の新たな顔として文創孵夢基地を開設。 - 2014年
西門紅樓は他の地域機関と協力し、長年にわたるクラフトアート市の運営経験を生かし、色濃い時代感を感じさせる松山文創園区の場に「東西好文創市集( Goodsmarket for Art and Craft ) 」創設。
文化創意産業に係わる方々に西門紅樓とは異なる発展の場を提供します。 - 2015年
リニューアル後の文創発展センター「16工房 Creative Boutique」は、新しい空間に“100年前にできた初の市場と百貨センター”というコンセプトを再現し、台湾文化創意ブランドに店舗提供を開始。独特のムードが漂う西区の生活文化創意マーケットになりました。 - 2016年
八角樓を閉館し、100年以来の大規模リノベーションの実施。 - 2017年
台北ランタンフェスティバルが初めて西エリアで開催。メインランタンが西門紅樓広場に設置され、世界各地からの観光客を集めます。 - 2018年
100年の歴史を有する紅樓が全館リニューアルオープン。機能と風格を備えた台北市「西エリアのレセプションホール」として再び蘇りました。
西門紅樓建築の設計と特色
辰野式建築と太子樓の説明
- 辰野式建築
西門紅樓の外壁は赤レンガで作られており、イギリスのレンガ建築に深く影響を受けています。赤と白が織りなす複雑な帯状のデザインと重厚で趣のある構造から「辰野式建築」とも呼ばれています。 - 太子樓
太子樓は、日本では「越屋根」と呼ばれており、採光や風通しを良くするために屋根の最頂部に一段高く取り付けた小さな屋根のことです。初期の日本建築の越屋根は主に木で作られていましたが、現在の紅樓ではより多くの光を取り入れるためにガラスに変更されています。
山牆・老虎窗と鋼鐵行架の説明
- 山牆
ペディメントとは、装飾を施した三角形の壁面のことで、バロック建築によく見られます。八角樓の8つの面の屋根には、老虎窓を持つ高さ約3メートルのペディメントがあります - 老虎窗
老窓は、西洋建築では「ドーマー窓」とも呼ばれ、採光と装飾の機能を兼ねた窓のことです。下にある放射状の要石と呼応し、デザインの美しさが強調されています。 - 鋼鐵行架
高さ6メートルある2階の劇場の天井には、16本のL字型の鉄骨が傘の骨のように張り巡らされています。まるで16本の光が差し込んでいるかのようです。
拱心石と橫帶の説明
- 拱心石
要石とは、アーチ構造やアーチ窓を建築する際、アーチの最頂部に差し込み、両側を支えることでアーチ全体を固定する石のことです。窓の上部から放射状に伸びた紅楼の要石は、屋根に近い水平の帯形と繋がり、連続性のある印象的な装飾帯を形成しています。 - 橫帶の説明
赤レンガと洗い出しコンクリートの2つの建築材料により赤と白が交互に織りなす帯形が形成され、これが紅樓の8つの面を水平に切れ目なく囲んでいます。また、窓から放射状に伸びた要石と繋がり、美しくスタイリッシュな雰囲気を作り出しています。
扶壁と盲窗の説明
- 扶壁
ゴシック建築によく見られる控え壁は、建築物をより高く見せる効果があり、また耐震性も高めてくれます。紅樓の控え壁は、壁の横圧を受け止める役割を担っており、地震が発生した際、建物の揺れや傾きを軽減してくれます。 - 盲窗
対称性は古典建築の重要な要素の一つです。盲窓とは、構造上の理由で窓が設置できない場合に、「他の窓との対称性を図るために壁の一部を凹ませて、かたどった装飾のための窓」のことです。
まとめ
- 日本の建築家による設計: 西門紅樓は日本の建築家、近藤十郎によって設計されました。近藤十郎は、当時のモダンな建築スタイルと伝統的な中国の要素を融合させることに優れていました。
- 八角形の外観: 西門紅樓の外観は八角形をしており、八方からのアクセスをイメージしてデザインされています。この八角形の形状は、建物全体を囲む特徴的な特徴です。
- 十字型の内部構造: 建物の中心には十字型の構造が配置されています。この十字型の配置は、建物の中心部における交差点や集会場所を示しています。
- 日本と中国の文化の融合: 西門紅樓の設計には、日本のモダンな建築要素と中国の伝統的な文化が融合しています。建物のデザインや構造には、両文化の影響が見られます。
- 再生プロジェクトによる文化的な活性化: 近年、西門紅樓は再生プロジェクトの一環として、文化的な活動やイベントの中心地として再生されています。茶坊やショップ、イベントスペースなどが設けられ、台北市の文化の拠点として活性化されています。
おまけ:西門紅樓周りのオススメ観光スポット
西門紅樓内にあるお土産屋さん
日本の物が欲しかったら西門町のドンキホーテ
絶対食べといた方が良いやつ
そんなこんなで今回は、100年を越える伝統と文化、西門紅樓の歴史と建築特徴でした。
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